趣味で3Dプリンターを始めたい人に一番おすすめなのが、FDM式の3Dプリンターです。
光造形式も家庭用の価格には普及してきていますが、メンテナンスの面でFDM式に軍配が上がることが多いと言えるでしょう。
とはいえ、初めてのプリンター選び。どんなメーカーのどんなものを選べばいいかわからないですよね。
そこで本記事では、私がFDM式の3Dプリンターで作った作品を紹介します。使用しているプリンターもAmazonでセールで買った2万5千円の激安品です。
「Amazonの激安プリンタ―はこんなものが作れるんだな~」と軽い気持ちで参考にしていただければと思います。
- Amazonで買える安いFDM式3Dプリンターの造形精度
- 安いFDM式3Dプリンターで作った作品の一例
使用しているプリンターの紹介
4,5年ほど前から、Creality”Ender3シリーズ”の初代(よく無印と呼ばれる)を使っています。材料のフィラメントも複数同時に使用できないため、基本的に単色造形しかできないシンプルなものになります。
Ender3も多くの派生が出ており、最新の最も廉価なモデルは”Ender3 V3 SE“(Amazonサイトに飛びます)です。2024年10月現在、特にセールはしていませんが3万円ほどで購入が可能なようですね。
これまでの作品紹介
私が普段造形するのはアート寄りで、オブジェとして使う作品が多いです。
機能を持たせた道具などは作っておらず、「どうしたら見た目の良いオブジェがFDMでできるか」と言った視点でモノづくりしています。
FDMで何が作れるかではなく、どうすれば綺麗な見た目のものが作りやすいかという点で参考にしていただけると嬉しいです。
それと、個人的趣味の関係でウェディング道具が圧倒的に多いです。その点もご了承ください!
イニシャルオブジェ
3Dプリンターは量産よりは一点ものの作品作りに向いている製造方法です。
名前入りのイニシャルオブジェは3Dプリンターと相性がよく、素敵なデザインのものを作りやすいテーマでした。
ウェルカムオブジェ
2色で作ったものや単色のオブジェを作成しました。単色のものはダイソーでも似たようなオブジェが売られているので、こちらに関してはあまり3Dプリンタ―で造形する意味はなかったかもしれません。
ウェルカムボード①
円環とフォントを一体で造形しています。造形物をどこまで薄くできるかに挑戦した作品です。”to our wedding”の箇所などは本当に薄いですが、十分な強度をもっています。(もちろん、取り扱いは注意ですが)
3枚目は文字部分を青のレジンで効果させたものです。手芸用レジンと造形品を組み合わせるのも作品の可能性が広がって良いですね。
ウェルカムボード②
こちらは文字部分が造形品で、それ以外の花はすべて粘土でできたクレイクラフトの作品です。本当は花も3Dプリンターでできれば嬉しいですが、3万円の格安3Dプリンターでは到底作れないものです。
クレイクラフトは逆にエッジのある造形物を作るのには向かないため、お互いの長所を組み合わせた作品になりました。
ネームプレート
ドアプレートや、結婚式のぬいぐるみに持たせたりすることもできるネームプレートです。結婚式はウェルカムドールを置く人も多いと思うので、意外と出番がある作品になりました。
受付サイン
結婚式の受付に置かれることの多い、新郎新婦の受付サインです。
文字とスタンドだけを造形し、アクリル円盤と組み合わせて作ってみました。
何も造形品だけで作品を作るのではなく、既製品と組み合わせる可能性を考えて取り組んでみました。
単色FDMならではの工夫
部品を組み合わせて多色構造を再現
同時に色の異なるものは造形できないため、色ごとにパーツを造形して後から組み合わせて多色構造を再現しています。
プラモデルも色の異なるパーツを組み合わせて組み上げますよね。それと同じで、複数パーツ造形と組み上げの手間をかけることで十分綺麗なオブジェを作ることは可能です。
ちなみに組み上げでは以下の接着剤を使っています。はめ込む寸法をギリギリに調整して軽圧入のようなことをする人もいるみたいですが、調整の手間を考えると接着剤が楽で良いです。PLAでしか確認していませんが、取れたこともありませんよ。
嵌め合い凹凸を作ってはめ込み
フラットな平面で色を分けるときは、色を変える部分の面を凹ませて嵌めこむ形でフラット面を再現しています。
ただ貼るだけだと凸凹が出てしまうので、これは必須のテクニックですね。
側面に傾斜はできるだけつけない
3D造形品の積層痕は傾斜部の方が目立つ傾向があります。傾斜は層毎の段が大きくなるためです。
FDMでは積層痕は避けられないので、造形のステージに対して垂直に造形するのがよいと思います。
ちなみに積層の間隔(ピッチと言います)を小さくするほど積層痕は目立たなくなるので、私は造形時間とのバランスも考えて0.2[mm]ピッチにしています。
極力側面・裏面を見せない作品
造形物が綺麗に見えにくい積層痕に対して、最も綺麗な面が出せるのは傾斜が全くない表面のみです。裏面は積層痕は出ませんが、ステージと接着して造形するためラインが太くなったり乱れることもあるため、表ほどきれいに出力するのは少し難しいです。
そのため、FDMの作品は基本的に表面の1方向だけを主役として見せられるように作っています。
まとめ
後処理に時間をかけられるなら、光造形の方が向いてるかも
どれだけ積層のピッチを細かくしてもFDMは光造形よりは積層痕が目立ちやすいです。どの角度から見ても綺麗な作品作りにこだわりたい人は、素直に光造形の3Dプリンターを導入することをおすすめしたます。
アート作品でないならFDMがよい
一般的に、FDMはアート作品よりは機能的な道具を作ることが多いプリンターです。光造形と比べて頑丈なものを作れるので、アート作品に興味がない人はFDMを購入することを考えましょう。
とはいえ、本記事のように見せ方の工夫でFDMでも十分なクオリティの作品を作ることもできます。
色んな作品を参考にしてみよう
本記事以外にも、ネットでたくさんの造形品サンプルを見つけることができます。本記事も、少しでも3Dプリンター購入を悩んでいる人の参考になれれば嬉しいです。
楽しい3Dプリント生活を送りましょう!